<6月『17世紀フランス演劇』から考える>
2021.0628
リュリ(音楽)、キノー(台本)、ヴィガラーニ(舞台美術)の作品を見ながらふと疑問に思いました。
ヴィガラーニは舞台美術家としてどのくらい力があったのであろうか?と。
台本を担当していたフィリップ・キノーは、ルイ14世の愛妾を揶揄したと誤解され、一度その職を解かれていますが、数年後、再び呼び戻されています。
一方ヴィガラーニ、1680年に契約期間が切れるともう二度とリュリの作品に関わる事はありませんでした。
改めてヴィガラーニの作品を見ると、割と単調で細部の表現もそこでは優れているようには見えません。
しかし、8年間も一緒に作品を作っていたことを考えると、ある程度は認められるいたと考えるべきでしょうか?
ただ、その後の歴史を考えると前任者のジャコモ・トレッリは肖像画も残り作品も数多く残ったのに対し、カルロ・ヴィガラーニは肖像画も作品もほとんど残っていません。
後世の人はトレッリの作品に軍配を上げたのかもしれません。



