アリアーヌ・ムヌーシュキン(Ariane Mnouchkine)_ 1939〜フランス
1964年パリの学生たちにより結成された前衛劇団の太陽劇団(テアトル・デュ・ソレイユ)に参加、主宰。’66〜67年シーズンにA.ウェスカー作「調理場」の上演で注目を集める。’70年弾薬庫を改造した劇場に本拠を移して創作活動を続ける。台詞術重視の西欧演劇の伝統的な考え方に対し、俳優の身体性を前面に出すのが特徴で、’70年代即興演技を生かした集団創作という手法で注目された。特にフランス革命を題材にした「1789年」(’70年)、「1793年」(’72年)などの作品でヨーロッパを代表する劇団としての地位を確立。’80年代からのシェイクスピア劇(「リチャード2世」「十二夜」)、’90年からのギリシャ悲劇の連続公演で話題を集めた他、中近東やアジア演劇の身体技法を取り入れた演出で注目を浴びる。

【太陽劇団 (テアトル・デュ・ソレイユ Théâtre du Soleil)】
太陽劇団は1964年にフランスで設立。総勢110名。25か国以上から集まったメンバーからなる多国籍・多民族の劇団である。パリ郊外のカルトゥーシュリ(弾薬庫跡)を活動拠点とし、“集団創作”というユニークなスタイルで知られている。ヨーロッパやアジアの伝統様式を取り入れる一方で、社会への問題意識も鋭く作品に反映し、古典から現代劇まで幅広いレパートリーを持つ。フランス革命を題材とした『1789』(1970年初演)で大成功を収め、以来世界が認める現代演劇のトップランナーとなった。2001年に『堤防の上の鼓手』(新国立劇場)で初来日、文楽のエッセンスを大胆に取り入れた舞台で話題を呼んだ。劇団アトリエから生み出される音楽、美術、衣裳などいずれも高い完成度を誇る。カルトゥーシュリには劇団自慢の食堂もあり、楽屋の様子も見られるような祝祭感に満ちた“演劇の理想郷”には、演劇ファンはもとより家族連れも多数訪れている。
※東京芸術劇場HPより転記