西洋演劇の変遷

1: 古代 (紀元前6世紀頃 ~ 西暦5世紀頃)
<悲劇 (Tragedy)>  紀元前6世紀末~紀元前5世紀の古代ギリシアで確立。ソポクレス『オイディプス王』など。
< 喜劇 (Comedy)>* 古代ギリシア旧喜劇: 紀元前5世紀~紀元前4世紀初頭。アリストパネスなど。 * 古代ギリシア新喜劇: 紀元前4世紀後半~紀元前3世紀。メナンドロスなど。 * 古代ローマ喜劇: 紀元前3世紀~紀元前1世紀。プラウトゥス、テレンティウスなど(ギリシア新喜劇の翻案が多い)。
<サテュロス劇 (Satyr Play)>紀元前5世紀の古代ギリシア。悲劇の後に上演される滑稽な劇。

2:中世 (西暦5世紀頃 ~ 15世紀頃)
< 中世宗教劇 (Medieval Religious Drama)>
10世紀頃から典礼劇として始まり、12世紀~16世紀に隆盛。 * 神秘劇 (Mystery Play): 聖書の物語。 * 奇跡劇 (Miracle Play): 聖人伝。 * 道徳劇 (Morality Play): 寓意的教訓劇。

3: ルネサンス期 (14世紀頃 ~ 16世紀末頃)
<コメディア・デッラルテ (Commedia dell’arte)>
16世紀イタリアで興り、18世紀頃までヨーロッパ各地で人気。仮面即興喜劇。

この時代、イギリスではシェイクスピアなどが悲劇、喜劇、歴史劇を、スペインではローペ・デ・ベーガなどが独自の演劇を発展させました。

4: 17世紀 ~ 18世紀 (バロック、古典主義、啓蒙主義)
<オペラ (Opera)>
16世紀末イタリアで誕生し、17世紀以降に発展。
<フランス古典主義演劇>17世紀フランス。コルネイユ、ラシーヌ(悲劇)、モリエール(喜劇)。
<イギリス王政復古期喜劇 (Restoration Comedy)>17世紀後半イギリス。 * 市民悲劇・市民劇: 18世紀。
<オペレッタ (Operetta)>18世紀半ばにオペラから派生、19世紀に隆盛。

5: 18世紀末 ~ 19世紀 (ロマン主義、リアリズムへ)
<ロマン主義演劇 (Romantic Theatre)>18世紀末~19世紀半ば。シラー、ゲーテ(初期)、ヴィクトル・ユゴーなど。
<メロドラマ (Melodrama)>19世紀を通じて大衆的な人気。
< ファルス (Farce / 笑劇)>19世紀後半に特にフランスで洗練(フェドーなど)。
<リアリズム演劇 (Realist Theatre)>19世紀半ばから後半にかけて台頭。イプセン、チェーホフ、ストリンドベリ(初期)など。

6: 19世紀末 ~ 20世紀前半 (近代演劇の多様化)
<自然主義演劇 (Naturalistic Theatre)>19世紀末~20世紀初頭。リアリズムをさらに徹底。ゾラ、ハウプトマンなど。
< 表現主義演劇 (Expressionist Theatre)>20世紀初頭(特に1910~20年代ドイツ)。主観的・内面的世界の表現。カイザー、トラーなど。
<社会派ドラマ / 問題劇 (Social Drama / Problem Play)>19世紀末から20世紀を通じて。社会問題を扱う。バーナード・ショーなど。
<心理劇 (Psychological Drama)>人物の内面心理を深く掘り下げる。20世紀に多様な形で展開。

7: 20世紀半ば ~ 現代
<ミュージカル (Musical) >20世紀初頭からアメリカで発展し、世界的に人気。
<不条理演劇 (Theatre of the Absurd)> 1950年代~60年代。ベケット、イヨネスコなど。
<実験演劇 / アバンギャルド (Experimental Theatre / Avant-garde)>20世紀を通じて常に新しい表現を模索。
<ストレートプレイ (Straight Play)>という言葉は、特にミュージカルなどと対比して、歌や踊りを含まない台詞中心の演劇全般を指し、多くの時代に存在します。) *
<歴史劇、ファンタジー、SF>なども、特定の時代に限定されず、様々な時代・様式で書かれています。

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